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PowerContext

PowerContext は OceanBase がオープンソースで公開している AI エージェント向けのコンテキストサービスです。決定事項、制約、証拠、進捗といった長期的に必要な情報を、1 回の会話の外に保存します。次のセッション、次のエージェント、あるいは次の担当者が、チャット履歴を読み直すことなく現在の状態からそのまま作業を続けられます。

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投稿者:
einverne
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PowerContext は OceanBase がオープンソースで公開している AI エージェント向けのコンテキストサービスです。作業の中で長く保持すべき部分(決定事項、制約、証拠、進捗)を 1 回の会話の外に置き、バージョン番号付きで検査可能な Artifact として保存します。セッションの終了、エージェントの切り替え、他の人への作業引き継ぎが発生しても、引き継ぎ先は会話ログ全体を読み直さずに現在の状態から作業を続けられます。本プロジェクトは PowerMem の後継で、ライセンスは Apache-2.0 です。

主な機能

  • Memory(記憶):再利用できる決定事項、制約、事実、状態、次のステップを保存します。エントリの状態は active、forgotten、merged、retired に分かれます。忘却されたエントリはアクティブな想起の対象から外れますが、内容と履歴は引き続き閲覧でき、復元もできます。明示的な記憶の書き込みにモデルは不要です。取り込み済みの Source からの自動抽出には、生成パイプラインの設定が必要です。
  • Handoff(作業引き継ぎ):「作業契約 → 引き継ぎ準備 → 確認 → タスク結果」の 4 段階で作業の連続性を記録します。引き継ぎ先は引き継ぎ内容を解析して受領を返し、タスク結果は Source の証拠として残ります。Handoff Report は各 Scope の最新バージョンを読み取り専用で表示し、Memory を書き換えることはありません。
  • Experience(経験):状況、行動、観察された結果、再利用できる教訓を記録します。経験はまず候補として Scope 内のレビュー受信箱に入り、承認されて初めて不変のバージョンとして書き込まれ、想起の対象になります。
  • Skill(スキル):名称、発見用の説明、指示、検証項目、由来の系譜を備えた、管理された再利用可能な手順です。承認はインストールや実行を意味しません。エージェントホストが見つけられるようにするには、特定のバージョンを明示的にエクスポートする必要があります。
  • 上限付き想起:PreparedContext は、アクティブな記憶と承認済みの経験から設定されたスニペットを選び、Profile スナップショットやトピック記憶を添えることもできます。その後、共通のバイト予算に合わせて切り詰め、ready または empty を返します。想起された内容はあくまで過去の参考情報であり、指示としての権限はありません。
  • バージョン管理と追跡可能性:各 Artifact は FAMILY/ARTIFACT_ID@REVISION で指定します。特定のバージョンを読み取ると、その時点の履歴スナップショットが返されます。
  • Scope による分離:各 Scope は独自の Source ログ、記憶のライフサイクル、レビュー受信箱、引き継ぎ履歴を持ちます。Scope ID はデータを選択するためだけのもので、認証や実行権限の付与を意味しません。

想定ユーザーと利用シーン

Claude Code や Codex などのコーディングエージェントを日常的に使う開発者やチームに向いています。特に、セッションをまたいでプロジェクトの制約を保持したい場合、複数のエージェントを切り替えて使う場合、進行中のタスクを同僚に引き継ぎたい場合に適しています。自分のエージェントアプリケーションにサービスとして組み込むこともできます。

接続方法

  • HTTP API、MCP、Python クライアント、コマンドライン、Dashboard のほか、エージェント向けプラグインを提供しています。
  • 公式 README に挙げられているホストやフレームワークは、Codex(公式サポート)、Claude Code、MiniMax Code、DeepSeek Harness、ZCode、Kimi Code、Hermes Agent、Pi Coding Agent、OpenClaw、OpenCode、WorkBuddy、Bub、そして Pydantic AI、LangChain、LangGraph などの Python フレームワークです。Codex が official である以外は多くが community で、Bub のみ evaluation レベルです。
  • アプリケーションは、プロセス内の Core SDK を使い、Source、Artifact、Trigger という 3 つのコアプロトコルで独自の実装を組み立てることもできます。

インストールとデプロイ

  • 動作環境:Python 3.11+、Git、uv(必要に応じて uv が Python を用意します)。エージェントに接続する場合は、対応する CLI も必要です。macOS と Linux に対応しており、Windows への対応は現時点では実験的です。
  • インストールコマンドの例:uv tool install --force "powercontext[cli,server]==1.4.1"。続いて powercontext config init を実行して対話式の設定ウィザードを起動し、powercontext server run --env-file .env でサービスを起動します。
  • ウィザードには 2 つのモードがあります。Basic memory は明示的な保存と想起に使うもので、モデル API は不要です。Full memory は Source を自動処理し、トピック記憶とセマンティック検索に対応しますが、生成モデルと埋め込みモデルの API 認証情報を別途設定する必要があります。
  • ストレージについては、ウィザードが最も手軽な出発点として SQLite を推奨しており、組み込み型の seekdb を選ぶこともできます。
  • Kubernetes へのデプロイには、リポジトリにある Helm chart を使い、外部の OceanBase に接続できます。
  • リポジトリには Jupyter チュートリアルがあり、最初の 7 本はモデルも API キーも不要です。

注意点

  • 生成、レビュー、実行は別々のステップです。モデルが内容を提案し、レビューでバージョンを承認し、エクスポートでホストのローカルコピーを生成しますが、どのステップでもエージェントに指示を実行する権限は与えられません。
  • プロジェクトが自己申告しているベンチマーク結果:LoCoMo での精度は 90.78% です。SWE-bench Pro のペア実行では、有効にした場合のタスク解決率が 86.73%、無効の場合が 82.35% でした(公式の提出ではありません)。また README には、LoCoMo Plus のスコアはプロジェクト側から提供されたもので、実行成果物は公開されておらず検証できない、とも記載されています。